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012:堅(理阿弥)








散りし地ゆ集ひて塔を建てたるらむ土より堅く天より脆き

鑑賞011「ゲーム」(TB 156まで)

「人生(恋愛)はゲームである」。
大半がそのような歌でしたが、直截にいえば手垢のついた喩えでしょう。
そういった人生観(恋愛観)を踏まえ、そこからさらに何を詠むのか。
それが重要ではないでしょうか。難しいお題でした。


ゲーム」の秀歌たち。

みずき
 ゲーム器に孤独の指を遊ばせて五歳はけふも丸き目をする

はこべ
 ベランダで陣取りゲームするごとく木の葉の影が移りおるかな

梅田啓子
 ノーゲームにしたき恋など想いおり わが街に降るはじめての雪

中村成志
 繰り返しに伸びる手よゲームとう世にはじめてのたわむれとして

新野みどり
 昔から椅子取りゲームに勝てなくて夜は静かにペディキュアを塗る

瀬波麻人
 何ひとつゲームだなんて思えない好きも嫌いもつよすぎるもの

(敬称略)

011:ゲーム(理阿弥)








末弟のゲームもつ手のあはれそと差し出せるをぎゅと握りたり

鑑賞010「駆」(TB 166まで)




駆歩のやうに部屋から部屋を飛び抜ける男の子がわが家を育ててをりぬ
   行方祐美


校庭につかのまの雪とけてゆく駆けるこどもの足跡つれて
   紗都子


 〈武州春雪〉
ゆくりなく春の雪ふる武蔵むさしは犬よりさきにわらべ駆けづる
   芳立


」から、駆ける子供を詠んだ三首。
いずれの歌も、明確にイメージがよみがえる秀歌と思います。
詠われているのは平凡な日常風景ですが、対象をどのような視点で捉えるかという点において、
それぞれ歌人としての工夫がなされていて、ああまさに短歌であるなぁ、という感動があります。

一首目は、子が家を育てるという逆転の視点、
二首目は、不在を詠うことで存在を表し、
三首目は、順序を示すだけで、よりはしゃぎ回る子の姿が見えてくる。

短歌上の工夫だけでなく「飛び抜ける」「つれて」「駆けづる」など、
ことばの使い方も考えられた、歌のお手本にしたい三首でした。



」の秀歌たち。

紫苑
 疾駆する馬ともまがふ朝焼けの雲は不穏を乗せて向かひ来

佐田やよい
 突風のごと町中を駆け巡り海は海の場所へと還る

(敬称略)
カミソリーフ
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理阿弥(りあみ)



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 歌歴:08年より。
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