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鑑賞039「庭」(TB162まで)








ぼくんちの庭には薔薇は咲かんけど柿が熟してきたのでどーぞ
  かきくえば

はい、いただきますっ

どうでしょう、この素直な、精一杯の恋歌。
バラが咲かない、代わりにカキを。
可愛い…。

いろいろ述べるのも無粋ですけど、
バラと柿っていう、艶やかな花と
ちょっとユーモラスな果物を並べた良さと、
あとやっぱり、きちっとした定型が効果的なんですよね。
繰り返し音読したくなっちゃう。

真っ直ぐさゆえ、心をわしづかみにされました。
(サイトが見当たらず、リンクは割愛させていただきました)



」の秀歌たち。豊作。


矢野理々座
 「うちの庭みたいなもんだこの町は」自分の家さえ持ってないのに

牧童
 海棠を見上げる庭の黒猫よ僕の痛みを半分あげる

ちょろ玉
 校庭に散った桜を焼く人になろうと決めた春だったのだ

史緒
 庭に咲く雛罌粟の朱に誘われし花ぬすびとは咎人なりや

南葦太
 じゃあまたね assたるegoと月の猫 今度こそひとりぼっちの庭

髭彦
 何気なき雑草(あらぐさ)繁る庭隅に潜み待ちゐむ見えぬ魔物の

冥亭
 わが庭にあさがお咲ける日もありき とおく咆哮せる火竜(サラマンダー)

市川周
 猫埋めて土やはらかし春の庭(クロ先輩はともだちでした)

揚巻
 正と負のさかさまになる箱庭はびいだまだけが星なんだろう

今泉洋子
 何処からか匂ひ初めたる木犀の香盗人庭に佇む


(敬称略)
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039:庭(理阿弥)








性愛を禁忌と(まじな)う家庭にて少年いまだ少年のまま

鑑賞038「抱」(TB167まで)








窓型の明かりの行路 抱卵を知らぬ種類の鳥として飛ぶ
  tafots
ことばを持ち、社会性を獲得して「抱く」ことに意味を与え、
そして孤独が生まれた。

獣は自分がどういった獣なのか知らず、
人は自分がどういった獣の中の、どういった個であるかを知ってしまう。

「抱く」には対象が必要であると思い、
人は膝を抱えながら独りであることを感じる。

自分を見つけてしまったら、ほんとうの寂しさが始まる。



」の秀歌たち。


西巻真
 ただに、遙野に、行きたしといふをさなごの(のみど)に抱かれゐるアデノイド

野州
 木に登る豚の心地かじゅうしちの春の夜に抱く肩の細さよ

湯山昌樹
 赤ん坊を抱えるごとく 新しきラケットケースを持つ子らのあり

南葦太
 雨を抱く 涙を拭う指だけがあり 拭うべき涙はなくて

久哲
 酔漢が電信柱抱く夜の周囲ではじまりつつある真夏

空音
 抱きしめてつむじの匂いを嗅いだけどそいつはだれにもバレないだろう

揚巻
 姉の抱く黒猫むしろつやめいて遺影のなかの現実となり


(敬称略)

038:抱(理阿弥)








春巻の皮に(失くしたことばとか)抱かせてる君だろうね、秋だ

鑑賞037「ポーズ」(TB169まで)

ポーズ」!
こういう面白いお題があるから、また題詠やろうって気になるんですよね~
と言いつつも、投稿歌はいささか不調か。今回は選のみです。
すみません。
お題の意味する幅がちょっと狭いから、難しかったですね。


ポーズ」の秀歌たち。


さと
 久しぶりの遠出  ポーズは解かれて 二人の歌が流れ始める

野州
 独裁者を糾して熱き群集にわが顔ありてポーズボタン押す

船坂圭之介
 神妙に聴き居り医師のムンテラを この身のポーズ如何に思ほゆ

紗都子
 三日月のポーズで高く伸びゆけば真夏の空にふれるゆびさき

音波
 やっぱ君もう奥さんなんだ! お醤油を取るポーズがおんなじで笑う

黒崎聡美
 ポーズをとらないというポーズとる ひまわりを背に不機嫌な顔


(敬称略)

037:ポーズ(理阿弥)








燃ゆる街に暖とる人のその誰も覚えず祈りのポーズで居たり

鑑賞036「暑」(TB171まで)








暑気払ひとて取り分くる梅ひとつ肌の青の玻璃皿に映ゆ
  紫苑

梅干しがお皿に乗っかってるよ、って歌です。
(赤い)梅と対置されたガラスの青さが涼やかですね。

この一首を採らせていただいたのは、このように五感を働かせた歌を詠むことが
我々はどうも少なくなってるんじゃないの、と思ったからです。
暑さを乗り切るための習慣としての梅干し。
それが置かれているだけの光景の、視覚的な鮮やかさ。
そこに生活がある。

私自身、自分の歌を読み返すと、そこにあるのは理屈や因果ばっかり。
PCの前に座って、脳内の小さな引き出しから出した言葉をこねくり回してるんですね。
みなさん、どうでしょう。
色合いや肌触りを歌にしてますか?
あるいは匂いとか?音とか?

一定のパターンに嵌った歌ばかり詠んでませんか?
特定の人間関係ばかり歌ってたりとか?

五感に訴える「」というお題だからこそ、
考える契機になるんじゃないでしょうか。



」の秀歌たち。


成瀬悠太
 友人が3人結婚した夏です 残暑お見舞い申し上げます

牛 隆佑
 少年は誰の胸にもある機能/残暑の中を走る 走るよ

こすぎ
 暑さから逃れられない なら 多分 哀しみは今 横にあるはず

由弥子
 暑さにも慣れし夕餉の浅漬けにみな決まりしことかと問ふてみる

市川周
 白熊の自首する列の長さかな(晴海通りはまだまだ残暑)

ネコノカナエ
 暑いねと声かけあってデモの中わたしがわたしたちへとつながる

きたぱらあさみ
 なぜだろう 今年も夏は暑いのにパピコを分けあう相手がいない

藤野唯
 言わされたような告白してしまいワンピースのなか今すごく暑い


(敬称略)

036:暑(理阿弥)








さかむけをむしればそこが腫れてくる酷暑に過去の手紙をひらく

鑑賞035「罪」(TB169まで)








億筋の蜜も似ている甘い恋まあるい手にも罪の雫を
  保武池警部補

幾筋もの蜜の雫、恋の罪・・・

お気づきでしょうか、この一首、回文短歌なんです。

おくすじのみつもにているあまい こ いまあるいてにもつみのしずくを

保武池警部補さんは回文で百首を詠んでおられます。
素晴らしいのは一首中に内容的な破綻が無く、言葉が響き合ってること。
回文という縛りを加えながらこのレベルで詠まれては、もうお手上げですよ。
ほんとに言葉が好きな方なんだろうなぁ。
いつも感服させられています。

甘美な恋は、背徳の匂い。


」の秀歌たち。


浅草大将
 我が罪の根は深草にはびこればなど墨染に花の咲くべき

飯田彩乃
 避妊具の功罪笑ひ合ひながらVIRGINIA SLIMS弄びをり

野州
 口紅の春めく朝は罪深きことも思いて駅へと急ぐ

梅田啓子
 シトラスの香りのなかを大き手が頭皮撫でゆく 罪のごとしも

音波
 恥と罪の違いにわたし気がついて記念に毟る洗濯のタグ

東雲の月
 存在を罪とは知らぬほの赤きうなじの奥の君を掴まん

天国ななお
 扉っていう字に似てる開いたら罪になるってホテルの小部屋

萱野芙蓉
 罪科の火と庭のダリアに名をつけて八月はかたむきつつ暮れぬ

市川周
 鳩等みな推定無罪河原にて(平和とかもうどでもよくて)

星川郁乃
 ここは敵、それは罪、君を腑分けして私のために残る一塊


(敬称略)

035:罪(理阿弥)








手の汗と銅貨は幼き罪の匂いふたり黙して家路たどりぬ
カミソリーフ
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理阿弥(りあみ)



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 歌歴:08年より。
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