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鑑賞048「束」(TB147まで)








校長のお話あいかわらずなので僕らニラの束みたいにゆれてる
  ミウラウミ

朝礼でわさ、わさと揺れてる生徒たちの頭。
こういうふうに、喩えがスパッと鮮やかに決まると、
それだけで一首の成功は約束されたようなもの。

…なんですけど、でもこの歌のもっとも効果的なポイントは、
「あいかわらずなので」だと思うんですよ。
校長の話が長いのか、つまらないのか、ハッキリ示していない。
そのことで読者との間に共犯関係が生まれる感覚がある。
「そうそう、校長の話って、そうなんだよね~」みたいな。
共通の知人について「アイツって、ほんとにアレだよな」なんて
悪友にしゃべるのと似てるかな。

詳細な言葉を使うだけでなく、隠してしまうのも技術のひとつなんだ、
そう思います。

  ◆

余談ですけど、「覚束ぬ」という語を使った歌を、数首みかけました。
動詞+打消の助動詞の連体形「ぬ」という形に見えますが、
<おぼつく>という動詞はなく、本来、覚束ない(おぼつかなし)は形容詞。
ですので、連体形は「覚束なき」なんですよね。
「つかねる(文語:つかぬ)」との混同もあるのかもしれない。

でも…、わかりゃいいか、って気もするんですよね。
うるさく誤用誤用いうのもなんか野暮だし。
「覚束ぬ足取り」とか、十分意味通じるし、さほど違和感もない。
短歌に使うときも、五文字だと収まりがいいしね。
あと二十年くらいしたら、すっかり市民権を得て辞書にも載るかな?
(「覚束ぬ」でググったら、たくさん出てきましたw。来年載せちゃえ)



」の秀歌たち。豊作。


夏実麦太朗
 札束は鼓動を持っているごとし車を買いに行くゆうまぐれ

横雲
 束ね髪放てば燃ゆる秋の色身は菊の香に(いだ)かれてをり

こはぎ
 さらり落つ髪束耳に掛け直し君の視線を遊ぶ図書室

芳立
〈初夏夕杜〉 かき(いだ)けばジャスミンの香の束ね髪ゆふひもとけて樹々のさやげる

牛 隆佑
 一人きり佇む 夜は暗いという約束事に救われている

ちょろ玉
 花束の似合う女性が好きですと答えた後に「ちがう」と思う

穂ノ木芽央
 用済みの束見本そのまんなかに筆跡()しくしるす(まじな)

ウクレレ
 百人の人を束ねて一輪の真っ赤に咲いた薔薇に捧げる

冥亭
 束の間のたわむれののち遠離るその星々の光さやけし

萱野芙蓉
 いもうとの束ねた髪に揺れてゐるあれはわたしがなくしたひかり

星川郁乃
 素麺が二束残っていることも夏の疲れの一つと思う

村上 喬
 秋の日の吐息もれたる束の間に柿の実うれてまた一つ落つ

今泉洋子
 交渉を終へて帰りゆくひんがしの空に立ちたる束の間の虹


(敬称略)

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カミソリーフ
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