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鑑賞050「酒」(TB148まで)

短歌は詠んでいるうちに、どう工夫をこらそうかと、言葉をこねくり返してしまって、
ほんとに歌いたかった核心からいつのまにか遠ざかってしまうこともよくあります。
基本に立ち返って、うたいたい心、情景をシンプルに言葉にする。
そんなことを折々に思い出すべきなのかもしれません。








梅の実の青くすみたる酒瓶に今年の夏の光ゆれおり
  村上 喬
どうでしょう、この一首。
余計に着飾っていない、すらりとしたかっこ良さがあると思いませんか?
梅の実の青い色がくすんでいるということは、漬けて数ヶ月くらいでしょうか。
もしかしたら、毎年作っているのかもしれないですね。
そして、いま眼前の酒瓶に揺れているのは他でもない
「ことしの」光だなぁ、というのです。

梅酒は、梅の実の色がゆっくりと変化しながら熟成していきます。
漬けたときはまだ青々としてたなぁ、とか、来年の夏まで楽しめるな、とか。
自分の移り変わる生活、時間と重ねあわせながら、グラスを傾けるのでしょう。

言葉の選択が的確で1つとして無駄がない。
単純な歌じゃないか、と言ったって、歌力がなければこういうふうには詠めないですよね。
自分も詠めるようになりたいですが…まだまだ。



」の秀歌たち。大漁だぞーい


tafots
 亡いひとの漬けた梅酒をいいことがあるたび客に出すおかみさん

紫苑
(詞書)カルヴァドス・ポム・ド・イヴを詠む
 酒汲みつ揺るるこころは唇にのぼせずかたち失ふりんご

保武池警部補
 消さむとも火を灯ぼすかなバッカスが唾流すほど追ひ求む酒

ほたる
 ぶどう酒の緑の空き瓶テーブルに昨夜(ゆうべ)の二人を閉じ込めている

梅田啓子
 うそうそと厨に父のうごく見ゆ春のゆうぐれ酒かいに行かな

砂乃
 ひとふりの酒で酔わせて口ひらくアサリを殺して私は食べる

芳立
〈涼州夜詞〉 葡萄(えび)の酒にいまは()ひなむあす往かば砂の(かばね)となりぬべき身は

酒井景二朗
 祭禮の行燈のもと腰を据ゑこの名に恥ぢぬ酒飮みになる

ミウラウミ
 葡萄の樹に隠れるように密造酒のように広まる吉田のエロ本

南葦太
 こどもにはこどもビールを 僕らには子供みたいに笑うお酒を

新津康陽
 泣くまいと一人酒飲み、泣くまいと一人酒飲み、月は語らず。

平野十南
 せくすしてまだ淋しくて手をつなぐ麦酒の色の風の吹く夏

じゃこ
 居酒屋の店員すごく嬉しそうはい喜んでばっかりしてる

揚巻
 酒あらばうすまるいのち我かれの身には過剰な塩気のありて

藤田美香
 泣き方を間違えただけ大丈夫アサリの酒蒸しちむちむと食む


(敬称略)

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トラバ、ありがとうございました。

 この度は拙作を取り上げていただき、ありがとうございました。

 また丁寧に読んでいただき、大変うれしく思っております。


 当方、題詠ブログは遅々として進まず、完走は半ば諦めました。
 理阿弥さんは順調に詠み進めておられるご様子、完走をお祈りいたします。

Re: トラバ、ありがとうございました。

こんにちは。

こちらこそ、素晴らしい作品を読ませて頂きました。
本当にありがとうございます。
村上さんのお歌を拝見しまして、やはり大切なのはみずみずしい感性なのだと、
改めて実感しました。
ネットの歌の世界では、地に足の着いた歌風に出逢いますと、
ほっとするような気持ちになりますね。
私の読みの拙いところは、どうぞご容赦ください。

あと二ヶ月ちょっとで、来年の題詠がはじまると思います。
その会場でお会い出来ましたら、またぜひよろしくお願いいたします。
ではでは。
カミソリーフ
題詠blogへの投稿、選歌、鑑賞。
お気軽にコメント下さい。
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理阿弥(りあみ)



ツイッター: Assam_Occam


 歌歴:08年より。
 口語でも文語でも。

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