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鑑賞058「帆」








帆を張ればあなたの胸に着くことのなぜかさびしいゆうぐれだろう
  竹中 裕貴

決定してしまうことの物寂しさ、落着するつまらなさ、だろうか。

『卒業』のエレインだって『チューズ・ミー』のイヴだって、
ラストシーンでは、幸福以外の何かを見ていた。
意中の人との紆余曲折の末、新たな航海へ乗り出すのにもかかわらず。

感じるはずの喜びに、なぜか寂しさがある。
完璧な薔薇色は、それが夢想ゆえだと知っているから。

夕景は、ほんのりとさびしい。



」の秀歌たち。


西中眞二郎
 出帆の銅鑼鳴りたれば船客は演技の如く手を振りており

オリーブ
 少年の白いTシャツ風はらみ帆船となる夏の自転車

吾妻誠一
 すみっこの帆布リュックのほつれ穴 覗いてウフフあの山や空

南葦太
 まだ恋を知らないままで寝転がる 海を知らない帆布のカバン

ワンコ山田
 泣いた海凪いだ心の帆をゆらす「運命」なんてずるい言葉だ

萱野芙蓉
 帆船がよぎつたやうな、午睡より目覚めれば底抜けの秋空

新藤ゆゆ
 ビン詰めの帆船模型のよび方とセブンスターをおそわった夏

揚巻
 よそもの、と呼ばれて暮らす洗っても白くならない帆の道しるべ

清次郎
 帆船と雲の進路が違うのを不思議に思っていた頃の白

みち。
 なんとなく帆を立てている進むことと進まないことの理由として

鮎美
 辞書二冊入れしかたちに古びたりモラトリアム期の帆布のバッグ

なぎ
 帆掛け船折っては捨てる児童館 騙してくれる人が来なくて

青山みのり
 信じてもいいものだけに帆をかけて東へと発つ明日はいい日だ


(敬称略)

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カミソリーフ
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