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鑑賞062「墓」








月の()の蒼きくぼみは眠られず夜を咲ききりし花の墓碑銘(エピタフ)
  紫苑

夜に開く花。
咲ききりし、の表現に充足感がある。
"花" を、人あるいはその人生、または行為などの象徴とみても、
あるいは字義通りにとってもよいのだろう。

ここには具体的な作者の姿も描かれていないし、
たとえばよく詠まれるような「きみ」や「あなた」へ向けての想いもない。
だが、読者は作者の刻印をはっきりとこの一首に見る。
月に浮かぶ表情を「花の墓碑銘」だと見てとった、
その見立てこそが、この歌が紛れなくこの作者の一首であるという証なのである。



」の秀歌たち。


行方祐美
 墓薙の朝のたいやうの喧しくつくづくと供花の萎えてゆくのみ

水風抱月
 言の葉は我が墓であれ揺り籠の鎖も揺らす夜の頃から

髭彦
 夜ノ森の駅舎に近き祖父眠る墓所訪ふ術の永久に断たれむ

小夜こなた
 わたくしの墓標を眺め立ち尽くす君を想えば涼やかな夏

新藤ゆゆ
 すえた愛、未使用のアレ、泣いた夜 これはお墓に入れていいもの

平野十南
 墓へ行く道に家族はそれぞれの歩幅を持てりかたき轍に

藤田美香
 枯れてゆくこころを埋めた学校の花壇の墓標に入るなと書く

冥亭
 末の世に独り在る日のつれづれに師も子も花もなき墓参かな

藻上旅人
 年老いた海を見下ろす公園の墓碑銘はただ風のみが知る


(敬称略)

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カミソリーフ
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