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鑑賞065「羽」








三羽いて二羽飛び立って二羽戻りさてなぜ俺は孤独でしょうか
  小林ちい

こういう歌、詠んでみたいな、と思った一首。
上句は典型的な算数、あるいはクイズみたいなかたち。
このような文章題スタイルみると、読む側は自然と答えを探すような
心構えになっちゃうんだけど、読者には回答しようのない球を
下句でピュッと放り込んで来てます。
「えっ、知らねーよ」って思われることも、織り込み済みなんですよね。

下句は無防備なつぶやき、自問自答に近いものなんだろうな。
一緒に飛んでったり、戻ってきたりしたいけど…でもなぜかできない<俺>。
華やかな喧騒から、ちょっと離れて立っている俺。
自問自答してみても最初から答えは分かってるような、分かってないような。
これから先の生も、そんな風に生きていくのかと考えたり。
いま、共感する人の多い歌じゃないでしょうか。




」の秀歌たち。


行方祐美
 夕羽振る波があしたを呼ぶやうにふつさりと脱ぐ冬のコートの

新井蜜
 羽根となる細胞核の凝れるかみどりごの背のかすかな隆起

青野ことり
 羽だけが地面を這ってゆく真昼 蟻は日陰が欲しいんじゃない

富田林薫
 観覧車 雲に近づく夏空の羽根があったら飛ぶのでしょうね

南雲流水
 思い出の痛み身体を刺すたびに羽ばたいている冬のてふてふ

新津康陽
 いつまでも空を見ている。お前には羽も翼もないと知ってて。

萱野芙蓉
 しろき鳩羽ばたくやうな音させて時雨降るなりビルの窓にも

冥亭
 まちなかの鳩は歩めりアスファルト色の羽根ゆえ飛翔かなわず

鮎美
 もう捨ててしまひましたかをさなごよあの日拾ひしペンギンの羽根


(敬称略)

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