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鑑賞070「介」








幾度も介助を拒む者がいるサロメのような白い眠りを
  北爪沙苗

助けられたにも関わらず、幽閉されていた穴蔵へ自ら戻っていったヨカナーンが
「介助を拒む者」なのだとすれば、白い眠りの正体も明らかになってくる。
ワイルドの戯曲に沿って考えれば、「介助=(一方的な)偏愛」であり、
眠りは拒まれた者が下す「断罪」に他ならない。

恐ろしいのは、拒まれた者<サロメ>にとってそれは、自分の力の及ばないところにあるために、
さらに力のあるもの(権力者)に頼り「白い眠り」に至らしめるという部分だ。
この一首全体が、粘り気のある呪詛であるとともに第三者への嘆願、
あるいは命令の形をとっているわけだ。
「私の愛で明るい世界をもたらそうとしているのに。
 それならいっそ、あの人に白き眠りを。」
世界中の<拒まれた者>たちが、そう呟きながら夜な夜な夢の世界へと帰っていくのだろう。


余談だけど、大学時代にどこか中央線沿線の40人くらいのキャパの
狭い小屋で見た素人劇団の「サロメ」が強烈に記憶に残っていて、
そこではむくつけき大男がなぜかサロメをアングラ風に演じていて、
彼(彼女?)が汗まみれになって叫ぶ
「あたしはヨカナーンに口づけしたよ」
というリフレインが胸に残り、強烈な感動を呼び起こしたんだけど、
今となっては劇団名もその男優の名も、なにもかも覚えていないのだった。




」の秀歌たち。


飯田彩乃
 うつくしき他者の介在 なだらかな腹に手を添へ微睡む姉は

五十嵐きよみ
 一枚の上着を傘にして駆けるふたりで「介」の字になりながら

音波
 転がったまま眠れないそつのない自己紹介ができない初秋

伊倉ほたる
 厄介な留守電を消す真夜中の雨で濡らした靴のつま先

黒崎聡美
 赤や黄の紙の葉っぱのあざやかさ介護施設を包む夕暮れ

ひぐらしひなつ
 簡単な紹介のあと取り敢えず笑って冬の枝をくぐった

小倉るい
 ふるさとを棄てる覚悟が出来なくて介護施設を探す6月

T-T
 含んでる水を飲みこむ パソコンの画面を介して友と呼ばれる

久野はすみ
 またしても介抱役となるきみだ 青い朝にはかがやくだろう


(敬称略)

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カミソリーフ
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