QLOOKアクセス解析

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

鑑賞071「謡」








 〈鎌倉静舞〉
銀杏樹は朽ちたふるとも千五百( ちいほ)(あき)燃ゆる謡ひぞ風に消えざる
  芳立

イチョウの木は倒れても無数の秋を謳歌したその歌声は風に掻き消されはしない、
といった意味でしょうか。
秋は生命の衰えてゆく期間というイメージがありますが、
「火」という文字が含まれていて、ゆらゆらと燃え立つ印象を醸してもいる。
そこに「燃ゆる謡ひ」を連ねることで、盛んに葉をつけて生を楽しむ木の姿が
まざまざと見えるように思います。
スケールの大きな一首です。

鶴岡八幡宮の大銀杏が倒れて、もうすぐ二年。
自分の任期に、ああいった歴史を持つものが倒壊したのを眺める宮司さんは、
どんな気持ちだったんでしょうね。
痛ましい感情とともに、自らも歴史に連なるひとりであるという思いが
ますます強まるんじゃないのかな、と勝手に想像したりします。

倒れた大銀杏の一部は少し離れた場所に植えられ、新たな芽を出しているそうです。
連綿と続く命はまた、これから幾度もの秋を繰り返し生きることでしょう。



」の秀歌たち。


行方祐美
 素謡のやうに雨降るひとときが手帳にありき もうぢき穀雨

梅田啓子
 裃をつけて素謡(すうたい)するごとく紫紺あやめの列なりて咲く

牛 隆佑
 夕暮れの都会に謎の童謡が流されていて空襲警報

伊倉ほたる
 流れ出す時代遅れの歌謡曲ささくれを剥くちいさな痛み

萱野芙蓉
 駒鳥を殺したすずめそのわけを語らぬままに童謡は終はる

揚巻
 奪われたこどもを呼ばう童謡の暗い瞳であのこがほしい

砺波 湊
 歌謡曲には佇む人が多くいてきっと頭上にまばらな雲が

小倉るい
 ホームでは昭和歌謡を謡うひと我には永遠(とわ)に厳父であれかし



(敬称略)

コメントの投稿

非公開コメント

カミソリーフ
題詠blogへの投稿、選歌、鑑賞。
お気軽にコメント下さい。
     powered by 涅槃 ver.2
理阿弥(りあみ)



ツイッター: Assam_Occam


 歌歴:08年より。
 口語でも文語でも。

カテゴリ
ブログ内検索
now Loading...
リンク
新しい記事
コメント
トラックバック
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。