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鑑賞076「ツリー」








どなたかがつめたく光るダイオードをつくったおかげでツリーがきれい
  夏実麦太朗


特許訴訟とその是非で、一躍有名になった青色LED。
背後にあるドロドロを思えば皮肉的な響きを感じるし、
また素直に現代的な美しさを詠んだ歌ともいえる一首であります。

[開発する人]と[享受する人]の距離が、
「どなた」「おかげ」といった丁寧な言葉づかいに表れています。
ひらがなの多用で、柔らかくあっさりと歌っている印象を与えると同時に、
淡々と事実を述べている風にも見える。
大げさに感動を盛り込まず、客観的に「ツリーがきれいだ」と詠むことで、
一首に多義的な深みが生まれています。

"今"をうたうぞ!とか世相を切るぞ!とか意気込まず、
こうしてさらりと「現代のわたしたちの歌」を詠むことができるんですね。
複雑なことこそ、シンプルに詠う。
私を含め多くの現代歌人が学ぶべきポイントではないでしょうか。



ツリー」の秀歌たち。


紫苑
 (いら)へせぬ問ひのルフラン目の裡にとばりを映せスモークツリー

三沢左右
 片付けもされず残ったクリスマスツリーに褪せてゆけ願い事

はこべ
 スカイツリー何ゆえ高みを目指すかや人類あくなき性にてかなし

行方祐美
 ツリークライミングの朝の天を思ひ出づジョンさんと戦ぎしははその上の

廣田
 桟橋のパームツリーに手を振りて雨を迎える真夏の翳り

穂ノ木芽央
 クリスマスツリーとなるべく百年を待ちつづけてゐる森のしづけさ

笹木真優子
 きみたちを大人にしてしまうためにツリーハウスの床を撃ち抜く

砺波 湊
 伸びかけのスカイツリーを見上げてた頃の手帳を読み返してる


(敬称略)

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No title

こんばんは 理阿弥さん

とりあげていただきありがとうございます。
また深いところまで掘り下げて歌評をいただき
恐れ入ります。

この歌はわりとさらっとできた歌です。
自分でも気に入っています。
旬の「スカイツリー」は避けよう、くらいの気持ちで詠みました。
あまり考えすぎないほうが良いのかも。(^_^;


Re: No title

麦太朗さん、こんばんは。

「ツリー」は自分としては非常に扱いにくいお題で、
まったく上手くいかず、皆さんもだいぶ苦労されていた
印象がありますが、さすが麦太朗さん、見事な一首でした。

はや2012年、次の題詠ブログももうすぐ始まるんですね!
今年も引き続きよろしくお願いいたします。 (*^_^*)
カミソリーフ
題詠blogへの投稿、選歌、鑑賞。
お気軽にコメント下さい。
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