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鑑賞080「結婚」








結婚をしなかったきみ飲み干せず青春 サイダー壜の重さよ
  たえなかすず

「きみ」は青春を乗り越えられなかったのだろうか。
大人になることを、老いることを受け止められなかったのだろうか。
いや、飲み干せなかったのは、そんな「きみ」を見ていた
「わたし」の方なのか。

この歌、構造が面白く混沌としている。
飲み干せなかったサイダー、のように真っ直ぐつながず、
途中にス、と青春が挟み込まれている。
さらに「飲み干せぬ青春」としっかりかけるのではなく、
飲み干せず、青春、サイダー壜の…と続いている。

青春なのか、サイダーなのか。かかりがはっきりと分からない。
作文なら零点。でもだからこそ短詩として満点。
一字開けもとても効果的。
この崩しによって、重みをしっかりと感じているのが分かる。

乱暴な省略やお行儀悪さが、<詩>の強みになるということは、
もっともっと意識されて然るべきだと思う。
短歌は報告でも日記でもないんだから。
「ある事実を見て、それを三十一文字であらわせ」という
題を与えられ、百人が百人するような表現をして、
それでいいのか、満足なのか、ということは常々思う。
「それはあなたでなくても書けることじゃないか」と。
自戒を込めて。

素晴らしい歌をありがとう。



「結婚」の秀歌たち。


野州
 北方の町より届きし結婚の通知は歯痛堪えつつ読む

三沢左右
 綿帽子に散りてひとひら結婚を祝ふ雪花消なであれかし

南雲流水
 (あかとき)の冷たい水に手を浸す結婚歴のある薬指

音波
 短めに結婚しよう永遠は約束するにはまだ長すぎる

平野十南
 結婚っていわさきちひろの絵のような感触でした不意に触れたら


(敬称略)

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カミソリーフ
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