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鑑賞087「閉」







埠頭の排水口に
甲虫は吸われて吐かれ
もう閉まる夏

  中村成志

浮かんでいる虫の死骸が、水面の上下動によって港の排水口を
出たり入ったりしている、そんな夏の終わりの情景です。
甲虫が波に翻弄されて排水口の内外を行き来する様が、
「吸う・吐く」という二語で的確に描写されてる。
このピタリと語を当てはめるセンスがすばらしい。

初句四音というあまり無い形ですが、ここにはこの語しかハマらない!、
という潔さがあり、結句字足らずより好きな詠み方なんです。
この一首は、三行に分かち書きされ、二句目以降がきっちり定型で詠まれているので、
初読でも戸惑うことなく読めるのではないでしょうか。
私も今回、初句四音の歌を二首投稿していますが、
自分の場合は初句の後に読点やスペースを入れたりします。

定型を意識してさえいれば、初句四音も選択のうち、というお話でした。



」の秀歌たち。


廣田
 夕立が過ぎゆく空を仰ぎ見て傘を閉じればふたりに戻る

久哲
 閉じこんでしまった夜の言い訳にらりるれろとか使えないかな

酒井景二朗
 やはらかく閉ぢたる瞼觸るるごと名も知らぬ實を撫でて行く道

ちょろ玉
 ゆっくりとまぶたを閉じるこれがもう最後のまばたきかもしれないし

北爪沙苗
 物言わぬ常を考え女子力を閉じてしまえばラーメン二郎

雑食
 閉じた目がふたたび開くそれまでの時間を俺にくれたのだろう

月原真幸
 ケータイを閉じて開いてまた閉じる 言ってはいけないことを言いたい


(敬称略)

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カミソリーフ
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