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鑑賞095「遠慮」








遠慮なくお持ち下さい張り紙の植木鉢あり主老いしと
  アンタレス

過不足なく、ビシッと決まった表現にするにはどうしたらいいか。

たとえば「張り紙に書かれてありて」などとやっていると、
たちまちに字数が尽きてしまう。
こういったとき「書かれて」などの動詞を、
省く対象として考えてみるのは悪くないと思う。
動詞は重いので、歌の中でいくつも使うと、
どこがポイントなのか分からなくなってしまうからだ。

 「翁」「山」「芝刈り」「嫗」「川」「桃」
 これらの単語を見ると、有名な昔話がすぐに思い浮かぶが、
 物語が展開するには「行く」「拾う」といった動詞が必要だ。
 つまり、動詞は「お話」を動かす大きな力を持っている。
 だから小さな詩型である短歌で、四つも五つも使うと、
 お話があちらこちらに飛んで、うるさくなり過ぎてしまう。
 短歌を始めた当初、
 「AがaしてBがb、CがcしてDがdした」
 のような歌をよく詠んでいたような気がする。

この歌で見ると、「お持ち下さい」は張り紙に書かれた内容なので、
動詞は「あり」と「老ゆ」の実質二つ。「植木鉢があった」「持ち主が老いた」。
これがこの一首の芯であると分かる。
すっきりしていて、とても良い歌だ。

自分の百首を見返すと、動詞過多の歌がちらほらあり、
もっとスマートに直せる可能性がある。
もちろん一つの目安に過ぎないんだけれど。
プリントアウトして、動詞にだけ赤マルつけてみる、っての、
久々にやってみようかな?



遠慮」の秀歌たち。


三沢左右
 飛ぶ車景にリズムを合はせ母を呼ぶ少女の声に遠慮なきかな

水風抱月
 忍び泣く霧の湖畔に影殺し今宵は月も遠慮がちなる

じゃこ
 Trick or Treat?でしょう遠慮なくいたずらしてもいいよ(もぐもぐ)

竹中 裕貴
 遠慮なくあなたのゆびがひらかれる ゆっくりと停車してください

清次郎
 秋雨よ遠慮しないで音立てて降りなよ僕は待ってないんだ

鮎美
 それならば遠慮なくなどと言ふ人の折り目正しき打ち解け具合


(敬称略)

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カミソリーフ
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