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鑑賞100「完」








生きるとは未完なる死かジギタリスはつか傾ぎて風のこゑ聴く
  今泉洋子
 はつ‐か【僅か】〘形動ナリ〙
  物事の一端がちらりと現れるさま。
  視覚や聴覚に感じられる度合いの少ないさま。かすか。ほのか。〔大辞泉〕


作中主体が猛毒の草を前に、死生について思いを巡らせている。
それを知ってか知らずか、ジギタリスは自分の身を微かに風に揺らせている。

「死」というものは、誰も経験したことがないので、
決して人に語ったり教えたりできない。
だがここでは、不完全ではあれど、生こそが死なのではないか、という。
主体は、死という形で完成する自分の生を想っている。
そう遠くないことではないか、と。

強心薬の代表として名高く、かつ強力な毒性を持つジギタリス。
生と死を同時に内包しているわたし。
静かに風の音を聴いているのは、ジギタリスでありまたこの人自身なのだ。




」の秀歌たち。


芳立
〈自然法爾〉 過ぎたるも足らざるもなき未完成交響曲にみのりあふるる

南葦太
 いつの日か完成するよねと笑う 尊き愚者の解答として

揚巻
 人という病のついに完治せず朱肉に濡れし指あるがまま

黒崎聡美
 死のなかに佇むほどに完全な雪の結晶 息をひそめる

ひぐらしひなつ
 毎日がすべて未完であることのやさしさ 母よ、もうすこしゆく

壬生キヨム
 完成が怖くて俺は恋人の暖房器具を壊したりした

南雲流水
 片われのカップを仕舞う完璧に滅んでしまう危惧種のように


(敬称略)

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