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鑑賞103「細」(TB183~296)







嫌なことどこまでもどこまでもどこまでも 細かく細かくきざんだ玉葱
  滝音



ビニ傘は細魚(さより)のごとく濡れている もういいもういいわたし出ていく
  T-T

畳句を使った歌ふたつ。
同語の畳み掛けによって、やるせない感情が強く表されています。
どこかにぶつけたい、どうしようもなく切迫した気持ち・・・

二首とも、上句と下句の内容が付かず離れずの距離でとても良い。
もう何度も何度も書いているけれど、これが単なる因果だったり、
あるいは一方がもう片方を説明しているだけになってしまうと、
歌の奥行きが狭まってしまうんですよね。
 悪例:嫌なことがあったから/玉葱を刻んだ

畳句には、繰り返しによる意味の強調の他に、
リズムを整える作用もあるみたいですね。
滝音さんの歌は、
五・十・五・八・八(五・五・五・五・八・八?)
という形ですが、つかえることなく読めます。
これが同語の繰り返しでない場合にどうなるのか、
興味がわくところだけど、こうはうまく行かないんじゃないかな?

それからT-Tさんの「ビニ傘は」の助詞「は」。
選択肢として他に「が」か「の」が考えられますが、
「出ていく」と喚かれているその一方で、傘が濡れてんな…と
全然関係のないことが意識されている。
そういう「は」なんでしょうね。
「が」だと、もう少しきっちり言い切る感じが出て、
そのこと自体が下句に関係しているかのような効果になってしまう。

と、ここまで書いて係助詞と格助詞の違いって
よく分かってないな、と思って調べてみると
こういう記事があった。
係助詞「ハ」と格助詞「ガ、ノ、ニ、ヲ、ト、カラ」とは次元が違う

なるほど。
改めて説明されると腑に落ち…るような気もするし、
ますます混乱した気もする(笑)
まあ学校文法だと思ってあまりこだわらないとするか。

「細」の良歌二首でした。



」後半の秀歌たち。


兎六
 職歴に糸と見紛うばかりなる細き柱を一本立てる

松島
 春なのにその昏さゆえ喜びもか細く告げる哀しみありて

ひぐらしひなつ
 筆ペンの細い方から駄目にするあなたの癖字すこし掠れて

みくにえり
 もうずっと来ない電車を待っている君の小指はとっても細い

青山みのり
 ひきだしが細く開いててなにかくるなにかでてくる 明日はいい日だ

村田馨
 見あげればか細き月のほの光る哲学堂は深く眠りぬ


(敬称略)

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まとめ【鑑賞103「細」(TB183】

嫌なことどこまでもどこまでもどこまでも 細かく細かくきざんだ玉葱  滝音ビニ傘は細魚(さより)のごと

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カミソリーフ
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