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鑑賞030「遅」(TB174まで)

よいお歌が多かったと思えるこのお題。
やはり現代人は遅れるってことに敏感なんでしょうね。
(日本も近代化するまでは、比較的時間にルーズな国柄だったそうな)

「遅れ」って、待つ側の期待感と待たせる側の焦燥感をミックスした
<不在>に他ならないんですよね。
その人がずっと「遅れ」つづければ、存在しないのと同じになっていく。
あの延々と引き伸ばされる時間感・・・
それを著したベケットはやっぱり天才なのだなー、と改めて思うのでした。

などと言いながら、今回は遅刻と関係ないお歌を一首、採らせていただきました。











花薄荷うすむらさきに揺るる暮れこの世の時計すべて遅れよ
  萱野芙蓉

見ている情景が美しいことの表現方法って様々ありますが、
時間よ遅くなってしまえ、とここでは言ってるんですね。
遅れちゃえばいいとかじゃなくて、命令形で言い切ってるのが、
主体の気持ちの強さが出てて好きなところです。

お題の扱いが巧みで、定型の気持ち良いシンプルな一首でした。

________________________

」の秀歌たち。

みずき
 遅櫻淋しき人の姿とも傘に消えたる影の老いゆく

野州
 いつもいつも遅れてやって来るねこに餌はやらないけれど死なない

砺波湊
 史上初ってカンジの青さの空を見てる遅刻の理由にならなくていい

瀬波麻人
 この町も知らないルールで回ってて時計がいつも二分遅れる

富田林薫
 寄り道をしたのでしょうね山肌をあなたの声が遅れて届く

鳥羽省三
 遅咲きは鞍馬関山義経の顔のごと朱にぞ笑まふ

伊倉ほたる
 透明な背中の糸に気づかれて遅れた二度目の羽化が始まる

紗都子
 遅くとも明日には着いているだろう海辺のポストのかたちを思う

ワンコ山田
 「出会うのが少し遅くて」(眼を伏せる)着信履歴がかさぶたになる

佐藤紀子
 門限に少し遅れて帰りたる娘は常より少しおしやべり


(敬称略)

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カミソリーフ
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